2025年、トランプ関税ショックがアメリカ株式市場に大きな影響を与えました。この衝撃は、我々新NISA民には特に大きく「アメリカで間違いないよー!」とか、「株は右肩上がりさー!」などの声が聞こえなくなるほど…。
ですが!これを機会として「アメリカ株一強で間違いない!」を考え直すには良いタイミングかも知れません。これまで安定とされていた投資戦略を見直すとともに、新しい選択肢に目を向けてみませんか?(結果変わらないのはOK)。
本記事では、この変化の背景を探りながら、トランプ関税を経てますます注目度の高まっている分散投資の必要性に触れつつ、だったらこれが良いのではの「オールカントリー」の可能性について解説していきます。
1. トランプ関税ショックの影響
2025年春、トランプ前大統領の関税政策が発表され、アメリカ株式市場は急落。S&P500は21.3%、NASDAQは26.8%もの下落を記録(25年4月末に書いてます)。もはや事件!
この件は、アメリカ市場が抱える不安定性を顕在化させ、投資家に「次の一手」を考えさせるきっかけとなりました。
2. 株式市場の「時代」を振り返る
出典:楽天証券
上の図は、1970年代から2010年代までの、国別/地域別株価指数のリターンを比較した表になります。確かに2010年代からは、米国株最強!なのですが、過去を振り返ると日本株や新興国株が有利な時代もありました。株式市場は特定の地域が主役となる「時代」のサイクルを繰り返しています。それぞれの時代と特徴を簡単におさらいします。
(1) アメリカ株の時代(1990年代~2020年代前半)
- リターン: S&P500の過去50年の平均リターンは約9.6%。
- 特徴: GAFA(現GAFAM)の成長を中心としたテクノロジーブームが市場を牽引。
アメリカ株の時代(1990年代~2020年代初頭)は、S&P500の平均リターンが約9.6%、驚異的な成長を遂げた時期として知られています。この成長は、GAFAM(旧GAFA)の急速な拡大により牽引され、特にテクノロジー分野でのイノベーションで圧勝。1980年代の金融自由化から始まり、2000年代のインターネット革命、2020年代初頭のクラウドやAIの普及がその特徴。特に2010年代は投資家にとっては米国があれば良し、の時代でしたね。
当時代表企業:マイクロソフト、アップル、アマゾン、グーグル、テスラ
(2) 日本株の時代(1980年代)
- リターン: 日経平均株価は1985年から1990年にかけて約3倍に成長。
- 特徴: バブル経済期の急成長が象徴的。
日本株の時代(1980年代後半)は、バブル経済期の急成長が象徴的で、日経平均株価は1985年から1990年にかけて約3倍に成長。この時期、日本企業は世界の株式時価総額の約40%を占めていました!(今となっては信じられない…)。 特に銀行や不動産関連企業が市場を牽引し、経済の活況を支えていました。いわゆるバブル真っ盛りの時です。
当時代表企業:トヨタ、三菱地所、日本電信電話公社(NTT)、住友銀行
3) 新興国株の時代(2000年代初頭)
- リターン: MSCIエマージング・マーケット・インデックスは2003年から2007年にかけて年率平均30%以上のリターン。
- 特徴: BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の成長が市場を牽引。
2000年代初頭、新興国株式市場はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の成長によって大きく注目を集めました。この時期、特に2003年から2007年にかけて、MSCIエマージング・マーケット・インデックス※は年率平均30%以上のリターンを記録し、投資家にとって非常に魅力的な市場となりました。
※MSCIエマージング・マーケット・インデックス:新興国市場の株式動向を示す代表的な指数。アジア、南米、東欧、中東、アフリカなどの主要な新興国市場をカバーしている。
当時代表的企業:ペトロブラス(ブラジル)、ガスプロム(ロシア)、インフォシス(インド)、チャイナモバイル(中国)
3. 分散投資の必要性と課題
「卵は一つのカゴに盛るな」は資産運用における分散投資の重要性を指すもの。今回のトランプ関税ショックでは、多くの人がアメリカだけに投資をする怖さを体感したと思います。資産のすべてをアメリカというカゴに盛るのは危険、かも?ということですね。
ならば、日本や新興国や欧州などへの分散投資を考えるのですが、我々新NISA民がこれを具体的に実行するのはナカナカに厄介。
- 考える手間: 資産配分をどうするか、どの地域にどれだけ投資するかを決めるのは難しい。
- 手数料の問題: 投資対象やETFの管理費(TER)がリターンに影響を与える可能性。
要するに面倒クサイのです!でも分散投資したい!
となるので、効率的かつシンプルな選択肢として再注目されるのが「オールカントリー」となるのです。
4. オールカントリーとは?
オールカントリーとは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動するインデックスファンドで、世界の株式市場を網羅した投資対象です。先進国から新興国まで、幅広い地域にわたる分散投資が可能なため、多くの投資家に支持されています。
(代表例:eMAXIS Slim 全世界株式、楽天・全世界株式インデックス・ファンドなど)
- グローバル分散: 世界中の株式市場を対象に投資。
- 低コスト: 信託報酬が低いため、長期投資に適している。
- シンプルな運用: これ1本で世界中に分散投資が可能。
もともと超優秀な投資信託ですがアメリカが強すぎたので、S&P500やナスダックに次ぐ、、、というイメージがありました。
5. カスタマイズ可能な投資戦略
オールカントリー、全世界株とはいっても米国株の構成が60%あります。そこで、オールカントリーを軸にしながらさらに分散が効くように個別でカスタマイズすることを検討するのもありです。
(1) 新興国株比率の調整
オールカントリーの構成比率では新興国株の割合が約11%(例:MSCIエマージング・マーケット指数基準)ですが、新興国の成長をより強調したい場合、次の方法があります。
- 新興国ETFを併用: 新興国市場のETF(例:VWOやIEMG)を追加し、比率を調整
- 重点分野の選択: インドや東南アジアのような地域特化型ETFを活用
(2) 高配当戦略の併用
配当利回りを重視するやり方もありですね。その場合は次の銘柄やETFを追加。
- 高配当インデックス型ETF(例:HDVやVYM、VIGもありですね)
- 配当率の高い新興国株(例:金融セクターや公益セクター)
(3) テーマ投資を加える
オールカントリーに成長性の高いテーマ投資を組み込むことで、長期のリターン向上を図ることも可能です。
- 再生可能エネルギー: グリーンエネルギーやEV産業に関連するETF。
- AI・テクノロジー: AI分野の銘柄を追跡するインデックスファンド。
6. 注意点とリスク管理
ここまでオールカントリーを軸にした分散投資の魅力と可能性について考えました。多様な市場への投資は、より安定した成長の機会をもたらしますが。投資にはリスクがあるもの。リスクについても理解して、より安心して長期的な資産形成を目指しましょう。
ドル安の影響
ドル安は新興国株にとってプラス要素になる一方、為替リスクを考慮する必要があります。特に日本円から投資を行う場合、円高局面ではリターンが減少する可能性があります。為替ヘッジの有無についても確認しておくと安心です。
市場の変動性
新興国市場は高い成長性とリスクがセットであるため、十分なリスク許容度が重要。短期的な価格変動に惑わされず、長期的な視点を持つことが鍵ですね。複数の資産クラスへの分散投資でリスクを緩和することも効果的。
手数料の確認
ETFやファンドの管理費(TER)がリターンに影響する可能性があるため、選定時に注意が必要です。特に、長期投資を前提とした場合、手数料が蓄積して大きな差になることがあります。複数の選択肢を比較し、自分の投資目標に合ったものを選びましょう。
まとめ
アメリカ株一強時代が変化しつつある今、新興国株や分散投資への関心が高まっています。効率的かつシンプルに始められる「オールカントリー」を軸とした投資は、未来の経済環境に適応するための有力な選択肢となるでしょう。最終的な資産配分は、リスク許容度と目標次第ですが、これを第一歩として、より深い投資戦略を考えてみませんか?
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